有限会社ヒカル・オーキッドは和歌山県有田市の胡蝶蘭の生産と販売を手掛ける企業である。栽培施設は和歌山県を中心に3か所所有しており、総面積は約3,200坪、年間生産数は約26万株を誇る。
ヒカルオーキッドの胡蝶蘭ブランド「フォアス」には、「For One Earth-ひとつしかない地球のために」という同社が大切にする理念が息づいている。
佐原社長は胡蝶蘭への想いを次のように語る。
「胡蝶蘭の栽培をはじめて40年近くになりますが、その奥深さに心を動かされる毎日です。肉厚の大きな葉、華麗に連なる大輪の花。自然が創り出す美しい造形を目にするたび、生命の神秘に畏れ入ると同時に、かけがえのない地球の未来に思いを馳せずにはいられません。大切に育てた胡蝶蘭を出荷する際、できるだけ環境に負荷を与えない配慮を施すのはごく自然なことでした。「For One Earth」にちなんで「フォアス」と名づけた商品ブランドは、私たちの企業姿勢をかたちにしたものです。地球にやさしい胡蝶蘭は空間を彩るだけでなく、ふだんの暮らしのなかでさまざまな気づきを与え、心に潤いをもたらしてくれるはずです。ひとつの胡蝶蘭を通して、より多くの皆さまとひとつしかない地球への思いを分かちあえたら幸いです。」
胡蝶蘭の栽培温度は、四季を通じてほぼ人間が心地よいと感じる温度・湿度帯が要求される。そのため施設内の温度を夏場でも24〜27℃、夜間で18〜20℃程度を保ち続けなければならず、温室ハウスの特性上、冬季の暖房よりもむしろ夏季の温度管理を重点的に工夫改善する必要がある。光合成の重要要素である日光を取り込みながら適切な温度管理を行うことで、胡蝶蘭の品質向上ができる。
当初はEHP(電気ヒートポンプエアコン)を使用していたが、多量のエネルギーを消費すれば冷房能力も充分なものとなる一方で、そのエネルギーを全て電気に頼った場合、過大な受電設備の増設が必要になることと、電力需要量の月差のため基本電力料金や従量料金の経営上の負担が大きいことなどから、胡蝶蘭の求める日射量をある程度犠牲にしながら栽培をせざるを得ないという課題があった。
現在空調設備の導入台数は会社全体で、EHP(17.5馬力)が11台、GHP(20馬力)が26台。既存のEHPは故障又は入れ替え時にGHPにしている。
空調エネルギーをガスに置き換えてGHPとした場合、夏季にも冷房能力を胡蝶蘭が心地よく成長できる温度に維持することができ、加えて冬季においてはエンジン排熱を利用できるパワフルな暖房能力により、成長速度もコントロールしやすくなった。
この様にヒカルオーキッドですくすくと育つ胡蝶蘭は、佐原社長のその優しい心遣いを汲み取って綺麗に花を咲かせてくれている。
2018年9月4日 和歌山県/大阪府南部に大きな被害をもたらした台風21号。
ヒカルオーキッドにおいても電力供給が1週間も停止してしまう胡蝶蘭栽培には致命的な打撃を受けた。
印南農場は有田市の本部から車で1時間ほどの距離にある大型胡蝶蘭拠点であるが、9月で台風一過晴天となった園芸ハウスでは、胡蝶蘭は冷房無しには生育できないような高温環境下となり、長期間の大規模停電により相当量の株を廃棄せざるを得ない様な状況に遭遇した。
その時の温度管理に活躍したのが、ガスを主たるエネルギーとするGHPであった。GHPの最大の特徴は消費電力が非常に小さい事である。
地域の給電が再開するまでの約2週間の間、佐原社長が自ら陣頭に立ち、工事現場で使う可搬式のディーゼル発電機を調達し、その電源でGHPを運転しヒカルオーキッドの社員も一丸となって、できる限りの胡蝶蘭を守る措置をとった。
恐らく電気のみに頼った空調設備であれば、よほど大型の発電機を準備しない限り、全滅していたかも知れないと佐原社長は回顧する。
同社は近年、高品質な胡蝶蘭生産方式を模索しながらSDGsの思想に基づいて環境負荷の低減に努力を重ね、資材のプラスチックフリーや不燃ごみゼロに取り組むなど資材の軽量化による輸送時までのCO2削減をめざしている。
この事例は、洋画家を父に持ちSDGsの精神に呼応した胡蝶蘭を通じて人々の生活に幸せを届けたいと願う胡蝶蘭生産者と農業分野に精通したGHPメーカーとが共鳴しあい、LPガスの需要開拓に成功した事例と言えるのないだろうか。
胡蝶蘭の花言葉は「幸せを運んでくる。」
今日も歓びとやすらぎを届けに、有田市からしあわせの花が飛び立っている。
会社の概要 |
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有限会社ヒカル・オーキッド
〒649-0313 和歌山県有田市千田20412 代表取締役 : 佐原宏 設立年月日 : 1983年個人事業開始 従業員数 : 55名 URL : hikaru-orchids.jp ![]() |
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