近江鍛工株式会社は昭和26年4月、滋賀県大津市に創業した。以来、回転式鍛造加熱炉で鉄や銅、アルミやチタンなどを鍛えて産業機械部品を造り、世界中に供給している。半世紀以上積み重ねてきた一貫生産体制のノウハウから生まれた製品は、鉄道・造船・建機産業から、海洋開発掘削や航空宇宙産業までを支えている。
近江鍛工製品
国際競争に勝ち抜くため、国内3工場で地球環境保全型の生産管理工程と、低コスト・高品質のモノづくりを維持していくことが永遠のテーマ。特に、生産工程の心臓部となる回転式鍛造加熱炉の燃焼効率の向上と燃料選びが極めて重要だ。
長崎工場は20年前に、県の誘致で松浦市御厨町に操業した。松澤司郎取締役工場長(本社製造部長兼務)は「本社工場が昭和40年に、高カロリーでCO2排出量が少ないプロパンを使いはじめ、甲賀、長崎工場でもプロパンをずっと使ってきた」と言い、LPガスへのこだわりが強い。
長崎工場ではLPガス貯槽(20t)1基を保有し、燃料LPガスを貯蔵している。仕入れは卸売4社と契約。ローリー1台が毎日片道1時間をかけて同じ松浦市の九州液化瓦斯福島輸入基地からプロパンを運んでくる。輸入基地には九州唯一の国家LPガス備蓄基地も併設されている。
こうした好立地に加え、老朽設備の更新に合わせ、今年2月、国の補助金を使って回転式鍛造加熱炉4基のうち1基に、排熱を回収し燃焼効率を高めるリジェネバーナーシステムを採用。これによりCO2排出量の削減に結びつけた。
高効率排熱回収式リジェネバーナー
また、炉内温度は1,150℃、その輻射熱は200℃にも達し、真冬でも大型扇風機が作業員の必需品だったが、それを使うことが少なくなった。リジェネバーナーが輻射熱を和らげ、作業環境も改善した。
設備更新に当たって社内では、本当に効果が上がるのか議論したという。松澤工場長は「5年前に本社工場では、天然ガス導管網の延伸を機にプロパンからLNGに切り替えた。しかし、LNGがプロパンの半分のカロリーであることと、転換費用や日数、上昇気味の仕入れ価格を勘案すると、やはりプロパンの方が手軽に使えて良い」と、LPガスを使い続ける理由を説明した。また「残る3基も早く更新したい。加熱炉は高額なので、補助金を続けていただければありがたい」と話す。
松澤 司郎 取締役工場長
会社の概要 |
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近江鍛工株式会社 代表取締役社長 坂口 康一 年商180億円(平成23年11月期)、従業員269人 本社工場:滋賀県大津市月輪1-4-6 信楽工場:滋賀県甲賀市信楽町黄瀬138 長崎工場:長崎県松浦市御厨町横久保免2-1 3工場はISO14001認証取得(平成13年2月) 関係会社:坂口鍛工、信楽鍛造、坂口興産、西原運輸興業 |
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