生産

LPガスの採掘

LPガス(プロパン・ブタン)は、油田や天然ガス田の内部に、メタンやエタンなど他のガスと混在した状態で存在しています。その原料となるガスを地上の設備に移送してプロパンとブタンを分離・回収し、さらに硫黄や水銀などの不純物を取り除くことにより、最終製品となります。油田で生産されたものは「原油随伴」、天然ガス田で生産されたものは「天然ガス随伴」と呼ばれており、最近では原油随伴が減少し、天然ガス随伴の比率が増加しています。

また、輸入された原油を国内の製油所で精製・分離し、その過程で発生したLPガスも製品として流通しています。

LPガスの生産方法

「シェール革命」とLPガス

近年、米国を中心として新しい油田・ガス田の開発が活発化しており、「シェール革命」として注目を集めています。シェールガスは、在来型の油層・ガス層よりさらに深いところにある頁岩(シェール)層に封じ込められているガスで、開発費用がかかるため従来は経済的に見合わないと考えられていましたが、採掘技術の進歩とガス価格の上昇により実用化されるようになりました。シェールガスが採掘可能な場所は世界中に分布しており、そのポテンシャルの大きさから、世界のエネルギー市場に様々な影響を与えています。

シェールガスにはLPガスも含まれており、シェールガス由来のLPガス生産は既に始まっています。今後はこれに加え、シェールオイルからの増産も見込まれており、順調に生産が拡大した場合、輸入ソースの多様化や安定的な価格形成等に寄与するものと期待されています。

シェールガスの掘削

新パナマ運河の開通

2016年6月27日、拡張工事の完了したパナマ運河を大型LPG船「リカステ・ピース」が商業運用開始後の初船として通航し、その後も多くのLPG船が同運河を経由して日本へ輸入されています。

これにより、米国メキシコ湾から日本着まで、従来は喜望峰周りのルートで約45日かかった輸送日数が、30日以下に短縮されました。