1991

湾岸戦争


多国籍軍のイラク攻撃を伝える一般紙

1990 年8月、イラク軍は突如としてクウェートに侵攻してこれを制圧、イラクの19番目の州として併合したことを宣言した。この湾岸危機により、原油価格は一気に11 ドル/ bbl 高騰、またLPガスのFOB 価格も7月90.46ドル/トンから11月には239.59 ドル/トン(プロパン)へと跳ね上がった。

戦争の激化による供給不安を懸念した日協では、有事における対応を段階的に示した「LPガス備蓄の緊急時取り崩しについての考え方」を資源エネルギー庁に提出した他、LPガスの主要な積出港であるサウジアラビアのラスタヌラ港への入港停止規制の緩和要請等を行った。

こうした努力により、LPガス供給に対する湾岸戦争の影響は最小限に留められ、結果としてオイルショックのようなパニックには至ることはなかった。この戦争をきっかけとして、LPガスの国家備蓄建設に関する検討が開始された。